逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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骨からの戦世(いくさゆ)写真展 骨のうたう

65年前の日本軍兵士の骨です。
「世界」(2010年9月号)に、特集されています。

これは、「骨のうたう」だなあと思いました。
浩三さんの遺骨はフィリッピンのどこにあるのだろう・・・。

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骨のうたう    竹内浩三

戦死やあわれ
兵隊の死ぬるやあわれ
遠い他国でひょんとしぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと きゆるや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や

苔いじらしや あわれや 兵隊の死ぬるや
こらえきれないさびしさや
泣かず 咆えず ひたすら 銃をもつ
白い箱にて 故国をながめる
音もなく なにもない 骨
帰ってはきましたけれど
故国の人のよそよそしさや
自分の事務や 女のみだしなみが大切で
骨を愛する人もなし
骨は骨として 勲章をもらい
高く崇められ ほまれは高し
なれど 骨は骨 骨はききたかった
絶大な愛情のひびきを 聞きたかった
それはなかった
がらがらどんどん事務と常識が流れていた
骨は骨として崇められた 
骨は チンチン音を立てて粉になった

ああ 戦死やあわれ
故国の風は 骨を吹きとばした
故国は発展にいそがしかった
女は 化粧にいそがしかった
なんにもないところで
骨は なんにもなしになった


(1942年作か?)



現在、この写真展が東京で開催中です。
お近くの方はぜひ、お運びください。
沖縄戦没者の遺骨は語る:
「骨からの戦世(イクサユ)――65年目の沖縄戦 比嘉豊光展」 より

会期:10月29日(金)~11月5日(金)
会場:明治大学内アカデミーコモン1階


主旨
戦後65年の長い時を経た今日なお、沖縄では戦没者の遺骨が土中より発見されます。
比嘉豊光氏は昨年から今年にかけて、那覇市および浦添市で発見された日本兵の
遺骨や遺品の撮影を行いました。
これらの死者たちは、沖縄戦をめぐるさまざまな事柄が、未解決であることを訴えかけて
いるかのようです。一方、これらの遺骨を写真に収めるということは、写真というメディアに
おける「記録」と「記憶」に対して直接言及するものでもあります。比嘉氏による写真は、
残存した過去の断片へ向けられた眼差しであるにとどまらず、戦後65年の今日をも強く照らし出すものです。
本展は比嘉氏が撮影した約60点の写真によって構成されます。また、会期中には写真および
沖縄戦を主題とした2つのシンポジウムを開催し、さらなる議論の深化を試みます。
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by anzu-ruyori | 2010-11-01 16:07 | 浩三さん(竹内浩三)