逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

ゆうべ遅かったので、起床延期 ★竹内浩三★筑波日記

昭和19年

4月9日 【日曜日】

 満州から来た兵隊にもらって吸ったタバコ。きょっこう。REVIVAR。大秋。
 たそがれて、うすぐらくなった。
 唱歌室で、オルガンをならしていたら、三島少尉に見つかった。

4月10日 【月曜日】

 部隊へ公用で出かけた。

 十一屋書店でコーヒーをよばれて、道草を喰った。
 腹いっぱい道草を食べてやろうときめた。

 畑でニラをぬいて、ポケットに入れた。
 卵でも買う気で大砂にまわってみた。卵はないか、卵はないかとまわった。
みんないないので、どうかわからないのですと云うのが、17,8の娘さんであった。
 ここで油を売ってやれときめて、あつかましくも腰をすえた。
ひなにまれなとでも云うのであろうか。
ぼくの尻は重いのであった。娘さん相手に気げんよく、だぼらを吹いていると、
ものすごい音がした。
 外へ出て見ると、麦畑の中で飛行機が火を吹いていた。
わるいことでもしていたように、あともみずに逃げて帰った。
 と云うのはうそで、
 飛行きが落ちたのは、学校へ帰ってからであった。

 今夜は、いよいよ転属要員の合否を決める会議で、
その筋のえらい人人が裁縫室で徹夜じゃといきごんでいた。

 勝手にいきごんでくれ。 こちらは寝るわいと思っていると、
白い腕章をつけた連中、つまりぼく達なんだが、
それも裁縫室でつきあえと云う。とんでもないことになった。

 2時30分におわった。

4月11日 【火曜日】

 ゆうべ遅かったので、起床えんきであった。寝ながら起床ラッパを聞き、
飯ラッパを聞くのは、きわめて痛快なことである。

 よる、十一屋へ風呂へ入りに行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

きょっこうは、「極光」満州でつくられた軍用たばこ、銃を構える兵士のパッケージ。
REVIVARと大秋は、不明。

8日の「キンシ」もたばこ ゴールデンバッドが、時局的に 「きんし 金鵄」(金色のトビ)にかわった。
昔のタバコ博物館↓
http://www.lsando.com/oldcigarette/oldcigarette3.htm

10日の日記は、2時30分に夜勤が終わってから、書いたのだろうか。
娘さんと話ているときに、飛行機がおちたと「うそ」を書いたのは、シナリオ的に
そのほうが画になると思って、筆がすべったのだろうか。

11日は、起床延期 よかったね浩三。
[PR]
by anzu-ruyori | 2012-04-10 17:18 | 浩三さん(竹内浩三)