逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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つつじの花が、咲くように 咲くように咲いていた★竹内浩三★筑波日記

昭和19年

5月16日 【火曜日】

 防空壕をこしらえた。
 夜、岡安から速達がきて、省三が面会にくることを強調していた。
 保文が死んだと云って、ぼくに、なんのはなしがあるのであろうか。

 夏服がわたされた。


5月17日 【水曜日】

 雨がふっていた。
 雨季がきた。
 赤痢の注射をした。班内で、射撃の予行演習であった
 乾省三から、またはがきであった

5月18日 【木曜日】

 防空壕のヤネをこしらえた。
 みどり葉に、ひげの雨であった。

 夏服をきた。こんどの夏シャツにはエリがついている。
 ズボン下はみじかくて、下のくくりひものないやつであった。


5月19日 【金曜日】

 雨がみどり葉にけぶっていた。四種混合の注射をした。
 ひるから、作業隊の爆発の演習を見学した。
 赤い旗がぬれている。
 爆発試験がすむと休養で、ねてもよいことになった。
 四種混合は、また極楽注射とも云う。

 おきて、吉田絃二郎の『島の秋』を読んでいた。
 ビンにさしたツツジの色が、あせていた。
 きのう、ラジオでベートーベンのロマンスをきいた。
 あしたの外出は遠慮することにした。

 あめのふる窓に、つつじの花が、咲くように、咲くように、咲いていた。

 夕方がきて、さびしさがきた。
 からいたばこをすっていた。


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サイダービンには、つつじ。

季節がかわって、夏服になった。
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by anzu-ruyori | 2012-05-17 21:36 | 浩三さん(竹内浩三)