逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

半刈りでバスにのって、ハンガリーラプソティ★竹内浩三★筑波日記

昭和19年

6月12日 【月曜日】
 満期した夢を見た。
 夢がさめると、そこもやはり家で、満期して帰ってきていた。死んだお母さんがいた。さっきのは夢であったが、こんどはほんとであろうと思いながら、ドラ焼きをたべながら、満期したのだから、あしたになっても、あさってになっても、二十三日になっても、もう軍隊にかえらなくてもええと云っていたら、起床ラッパが鳴った。

 外出証があまったので、ぼくもでかけることにした。橘兵長と斎藤上等兵と一緒に出た。

吉沼からバスで下妻へ行き。なんにもなかったので、バスの女の子に自転車を借りて大守へ行った。ミツ豆を喰った。ビールを一本づつ飲んだ。うまかった。サバのにつけを喰った。水クサかった。オムレツを喰った。うまかった。卵のアツ焼を喰った。

 下妻からバスで宗道へきた。神田屋へ上って遊んでいた。この家は、ぼくはあんまり知らない。橘や斎藤上等兵はよく知っていた。白いメシの上にアンをどっさりのせたやつを食べさしてくれた。

 バスの時間がまだあると思って、床屋へ入ったら、バスがきた。半刈りでバスにのって、つづきを吉沼でやった。ハンガリイラプソディ。

 十一屋でうどんを喰った。

 重爆の車輪が青草にバウンドして、もうとび上っている。

 夜、演芸会があったけれども、ぼくは、きげんを悪くしていて、出なかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

久しぶりに長い日記。

満期とは、兵役が終わり復員すること。戦時でなければ、2年間。
今の日本には、軍隊や徴兵義務がなくて本当によかったと思う。
自衛隊が、早く災害救助隊になってくれたらと願う。

満期した夢をたくさんの兵隊がみただろう。

半刈りでバスにのったとは!
「半刈りでハンガリー」は、1977年 榎木忠
http://chuenoki.com/works.html

全身の毛を全部半分だけ刈って、ハンガリーに入国した。
神戸で、旋盤工をしながら独自の作品を作り続けている。
浩三さんも、こんなへんで素敵なおっさんになっていたかなあ~。

「重爆の車輪が青草にバウンドして、もうとび上っている。」

が、詩やなあ~と思う。
[PR]
by anzu-ruyori | 2012-06-16 22:53 | 浩三さん(竹内浩三)