逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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赤と青の灯を翼につけて、たそがれを飛んでゆく爆撃機。船のようなノスタルジィ★竹内浩三★筑波日記

6月24日 【土曜日】

 衛兵の準備であった。ひるまえに、人工呼吸の学課があった。水に溺れたのをたすけるやつであった。ぼくは、はだかになって、本部の前の用水池にとびこんだ。中ほどは、背よりも深かった。
いい気持ちで泳いでいると、部隊長が自動車できた。ぼくは、池の中で直立不動の姿勢であった。

 増加衛兵は、夕食時から、あしたの起床まで服務するのである。
そして「裏門哨舎ヲ定位置トシ、裏門ー兵営西南角ー東南角ー表門ニ至ル間ヲ動哨シ、ケイカイ」するのであった。

6月25日 【日曜日】

 衛兵下番して、一日寝ていた。

6月26日 【月曜日】

 将集(将校集会所)の使役であった。帰りたい。
 よくまァこんなところにいて発狂しないことだ。

 赤と青の灯を翼につけて、たそがれを飛んでゆく爆撃機。船のようなノスタルジィ。

 今日一ぱいで宮崎曹長の当番を下番することになって、やれやれと思っていたら、ひきつづき宇野曹長の当番であった。
 宮崎曹長は、ずっとまえから出てこないので、当番をしていないのと同じようなものであった。

6月27日 【火曜日】

 どぶさらいの使役をしていた。
 夜、宮崎曹長が急にきて、隊長室にいると云うので、上靴をもってゆくと、電燈もつけず、しょんぼり、目のふちをこすっていた。泣いているのであった。
 あとできいたら、無届け欠勤で、十日間の重キンシンになったと云う。


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26日 よくまァこんなところにいて発狂しないことだ。

よくまあ、こんなことを書いたね、浩三。みつかったら、営巣いりだよ。

そのあとは、叙情詩。

 赤と青の灯を翼につけて、たそがれを飛んでゆく爆撃機。船のようなノスタルジィ。

宮崎曹長の無断欠勤は、どうしてだったのだろう?
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by anzu-ruyori | 2012-06-27 09:11 | 浩三さん(竹内浩三)