ふかいりしそうな気配に、ぼくの気持がなりかけている★竹内浩三
2012年 07月 09日
昭和19年
7月1日
きょうもエンタイつくりであった。きのうのくたびれがかさなっていて、汗と土でどろどろになっていた。にぎりめしが間食に出た。どろ手で、どろ顔で喰っていた。
7月2日
きょうも、一日エンタイつくりをやって、出来上った。雨がふってきた。
山室貴奴子から長い手紙がきた。
ふかいりしそうな気配に、ぼくの気持がなりかけている。
7月3日
対戦車肉薄攻撃と云ういさましい演習であった。
ひるから、松林の中で演習していた。
ぼくの敬愛する漫画家中村篤九が、島田啓三の「勝ちぬき父さん」についで、漫画を連載することになり、そのアイサツに、
「苦しいことつらいことのあとに楽しいことがあるのでなくて、苦しいことつらいことの中に楽しいことがあるのです」と云っている。いいことを云ってくれた。
島田啓三の漫画はちっとも面白くない。この人には漫画家としての素質がない。
7月4日
休みで外出があったけれども、腹具合がわるいので出なかった。
その辺をかたづけて、十一屋義三郎の『神風連』と云う小説を一頁ほど読みかけたら、ケイカイケイホウがなった。
宇野曹長の家へとんだ。ヒルからバケツ班であった。夜になっていつも行く飛行場のはしの陣地へ行き、うどんをつくっていたら、テッシュウしてかえれと云ってきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中村篤九の文章がおもしろい
http://www.kajika.net/bunko/?%92%86%91%BA_%93%C4%8B%E3、
7月1日
きょうもエンタイつくりであった。きのうのくたびれがかさなっていて、汗と土でどろどろになっていた。にぎりめしが間食に出た。どろ手で、どろ顔で喰っていた。
7月2日
きょうも、一日エンタイつくりをやって、出来上った。雨がふってきた。
山室貴奴子から長い手紙がきた。
ふかいりしそうな気配に、ぼくの気持がなりかけている。
7月3日
対戦車肉薄攻撃と云ういさましい演習であった。
ひるから、松林の中で演習していた。
ぼくの敬愛する漫画家中村篤九が、島田啓三の「勝ちぬき父さん」についで、漫画を連載することになり、そのアイサツに、
「苦しいことつらいことのあとに楽しいことがあるのでなくて、苦しいことつらいことの中に楽しいことがあるのです」と云っている。いいことを云ってくれた。
島田啓三の漫画はちっとも面白くない。この人には漫画家としての素質がない。
7月4日
休みで外出があったけれども、腹具合がわるいので出なかった。
その辺をかたづけて、十一屋義三郎の『神風連』と云う小説を一頁ほど読みかけたら、ケイカイケイホウがなった。
宇野曹長の家へとんだ。ヒルからバケツ班であった。夜になっていつも行く飛行場のはしの陣地へ行き、うどんをつくっていたら、テッシュウしてかえれと云ってきた。
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中村篤九の文章がおもしろい
http://www.kajika.net/bunko/?%92%86%91%BA_%93%C4%8B%E3、
by anzu-ruyori
| 2012-07-09 22:39
| 浩三さん(竹内浩三)