逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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兵隊の足★竹内浩三 筑波日記より★

「五月のように」さんより転載させていただきます。
http://www.h4.dion.ne.jp/~msetuko/tkozo/takeutisakuhin.html

なお、竹内浩三著 小林察編 「日本が見えない」(藤原書店)より
筑波日記 全文と写真版を参照させていただいています。

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1944年 昭和19年

1月19日
 ないと思っていた外出であったので、思わぬもうけものであった。

 杉原上と兵(上等兵)と亀山と大谷の4人で、でかけた。
f0032106_11385819.jpg


下妻までのバスは、ものすごく満員であった。
こんなに満員のバスにのるのは、はじめてである。
自分の足を失いそうであった。下妻からすぐ汽車で大宝へ行き、
大宝で米を一升買った。その米のきれいなこと。生まれてはじめて
見る気がした。それをたいてもらって、ひるめしにした。
あんみつと、くずもちなど喰って、いいかげん腹もふくれた。

駅前で、ミカンを買った。三十せんで五つで、高すぎて
すまぬすまぬと云いながら一つまけてくれた。ミカンを食べながら下妻まで歩いた。

十一屋でごちそうになった。そのごちそうのできるのがおそくて、かけ足で
帰らねばならぬことになった。
 夜、演芸会で、喜多兵長が、トロイメライをハモニカで上手に吹いた。

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浩三さんの作品に
「ハガキ小説」があります。
一枚のハガキにちょっきりの「ハガキ小説」に挑戦していたようです。
現存しているのは、2枚だけ。
そのひとつが

バス奇譚

 モウコレ以上ノレナイト言ッテイルニモカカワラズ、
ソノ上ニ、モウ十人ホドモ兵隊がノッタ。
バスノ中ハ、チョウドウナギノカゴノ中ノヤウニ、
兵隊ガクネリクネッテ、暑気ガウンウンシテイタ。
バスガソノ目的地ノ小サイ町ニツクト、兵隊ハ、キャラメルノヨウニ、
バスカラコボレオチタ。バスノ中ハ、風ガコロゲテイタ。バスノ車掌ガ気ガ
ツクト、カタスミニ巻脚絆ヲマイタ兵隊ノ足ガ、風ノ中ニ忘レテアッタ。



この小説は、1月19日の外出の経験から生まれたものでしょう。
私は、「バス奇譚」をアニメ化してくれるクリエーターを探しています!


十一屋さんは、旅館だったようです。書店も併設されてあり、浩三さんはここで注文した
本を受け取ったりしています。

おお!今も営業中ですね。ことしこそ、いけるかなあ。浩三さんをめぐる旅@つくば。

http://www.its-mo.com/c/%E5%8D%81%E4%B8%80%E5%B1%8B%E6%9B%B8%E5%BA%97/DIDX_DKE,822975/
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by anzu-ruyori | 2012-01-20 11:44 | 浩三さん(竹内浩三)