逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

南からのたより★竹内浩三 筑波日記★

「五月のように」さんより転載させていただきます。
http://www.h4.dion.ne.jp/~msetuko/tkozo/takeutisakuhin.html

なお、竹内浩三著 小林察編 「日本が見えない」(藤原書店)より
筑波日記 全文と写真版を参照させていただいています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1944年 昭和19年

1月22日

 西部116部隊長の兵キけんさで。てんてこまひであった。
親類の倉をのぞきにきたような あんばいである。
 15時から落下傘の学科。

f0032106_23324464.jpg



 これだけのノートしたら、田中准尉に呼ばれた。
 仕事がはかどっていないので叱られるかと思っていたが、叱られなかった。
 竹内吾郎から、久しぶりでたよりがあった。南からであった。ぼくも、南へゆきたい。
 南海派遣沼8925部隊太田垣隊


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この落下傘のイラストいいですねえ。

純白の花負いて―詩人竹内浩三の“筑波日記”
(1978年) (理論社ノンフィクションシリーズ)
桑島 玄二 (著)の表紙に使われています。

この南からのたよりを読んで、こんな詩ができたのだろうか・・・。

南からの種子

南から帰った兵隊が
おれたちの班に入ってきた
マラリヤがなおるまでいるのだそうな
大切にもってきたのであろう
小さい木綿袋に
見たこともない色んな木の種子
おれたちは暖炉に集まって
その種子を手にして説明をまった


これがマンゴウの種子
樟のような大木に
真っ赤な大きな実がなるという
これがドリアンの種子
ああこのうまさといったら
気も狂わんばかりだ
手をふるわし 身もだえさえして
語る南の国の果実
おれたち初年兵は
この石ころみたいな種子をにぎって
消えかかった暖炉のそばで
吹雪をきいている

注: 樟=くすのき
[PR]
by anzu-ruyori | 2012-01-22 23:41 | 浩三さん(竹内浩三)