逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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ネヅミヲ落下傘デバラマク★竹内浩三 筑波日記

「五月のように」さんより転載させていただきます。
http://www.h4.dion.ne.jp/~msetuko/tkozo/takeutisakuhin.html

なお、竹内浩三著 小林察編 「日本が見えない」(藤原書店)より
筑波日記 全文と写真版を参照させていただいています。

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1944年 昭和19年

2月5日

 三島少尉にたのまれた発明の浄書をやっていなかったので、気にしていたら、
はたして呼ばれた。行くと、そのことは何も云わず、うれしそうに又ちがった
発明案を話し、文にしてくれとたのんだ。

 敵中に発火剤を塗ったねずみを落下傘でばらまく。
 爆弾の中に鉤をしかけて人をきずつける。
 空中戦に反射鏡を用いて、敵機の眼をくらます。
 爆弾をつけた犬を敵中にばらまく。

 と云った風な、たのしい発明であった。

 それをぼくが文章になおすわけであった。

恐水病の犬をばらまくことや、ハブやコブラやサソリや蜂をばらまくと云う、
ぼくの案も加えて、堂々たる一文を作製したものであった。

 1日、ふったりやんだりであった。
作業衣とじばんを洗濯したら、どう云うものか、かえってきたなくなり、
方々乾かしまわっているうちにどろだらけになった。しなければよかった。

 どう云うわけか、今日は気持ちがはればれせぬ。宮沢賢治をきのう読んだためか。
 喰うことだけがたのしみとは、なさけない。
外出しても、食べることだけに専念する。

 好きなことを、好きなようにしゃべれる相手と時間がほしい。

 夜は軍歌演習。まいばんである。

大隊長の作った滑空部隊の歌のけいこである。この歌はなかなか上手に作ってある。
部隊歌の形におさまって、おもしろみはすこしもないけれども、よく作ってあると思う。
ぼくには作れない。

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三嶋少尉は、前にも書いたが戦後、松竹映画のプロデューサーとなった人である。
なんとも、けったいな武器の発明ばかり、確かに「おもしろい」けど・・・やれやれってかんじ。


「好キナコトヲ 好キナヤウニシャベル相手ト時間ガホシイ」

って、よく思いますよね。
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by anzu-ruyori | 2012-02-06 01:00 | 浩三さん(竹内浩三)