逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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逃亡した入倉者が足踏みしながら 西の方を見ていた★竹内浩三 筑波日記

3月13日 【月曜日】

 霜の朝、本部のうらへたきものを拾いにいったら、
 逃亡した入倉者が、足ぶみしながら、西の方を見ていた。

3月14日 【火曜日】

 中隊当番下番。
 動員演習。


3月15日 【水曜日】

 水曜日だけれど、休みなし。
 朝から田中准尉にたのまれた地図を書いた。
 九州の検閲をうける演習場の五万分の一をガリ版で書くのであった。こみ入った仕事で、なかなかはかどらなかった。近頃こんな細かい仕事をすると、じきに頭がこんとんとしてくる。

 たばこを吸って目をつぶると、山の曲線や、道路や畑が、ちらちらしてくる。

 夜、本部のうらで、慰問映画があった。けれども、中隊はあしたの軍装けんさの準備で、
 見に行ってはいけないことになったが、軍装けんさには出ないから、こっそりと見に行った。
「花子さん」と云うくだらない映画で、はじまったかと思ったら、すぐに切れて中止になった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「逃亡した入倉者」を発見して、浩三さんは通報しなかっただろう。

後日、隊を脱走した兵士を捜索にいくという記述もある。
軍隊から、逃亡した人のことって、あまり語られてこなかったけれど、
たくさんいたのだと思う。

映画「ハナ子さん」 

東宝が1943年(昭和18年)に製作した日本の長篇劇映画、ミュージカル映画である。

杉浦幸雄が『主婦の友』に連載していた漫画『銃後のハナ子さん』が原作である。主演の轟夕起子はもともと原作の主人公のモデルだった。軍歌や戦時歌謡やその替え歌が多数登場するミュージカル映画である。
戦意高揚映画でありながらアメリカのバーレスク映画の影響を受けた作品は、検閲により多くのシーンがカットされた。特に、出征する夫におかめの面を使ってハナ子がおどけるラストシーンには、本来はおかめの面に隠れてハナ子さんが涙を流していたという場面が存在しており、検閲のカットにより意味合いの違うシーンとなってしまっている。

ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8A%E5%AD%90%E3%81%95%E3%82%93




竹内浩三「筑波日記」は、

「五月のように」さんより転載させていただきます。
http://www.h4.dion.ne.jp/~msetuko/tkozo/takeutisakuhin.html

なお、竹内浩三著 小林察編 「日本が見えない」(藤原書店)より
筑波日記 全文と写真版を参照させていただいています。

http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=510&cPath=177_222
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by anzu-ruyori | 2012-03-14 12:22 | 浩三さん(竹内浩三)