逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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ジャガイモ畑ニ、タネイモヲマイタ★竹内浩三 筑波にっき

昭和19年

3月24日 【金曜日】

 ちかごろ、つまらないことによく笑う。ケタケタと笑ってばかりいる。

 ジャガイモ畑に、たねいもを蒔いた。二つか三つに切って、その切り口に
 灰をつけると云うことは知らなかった。あまったたねいもを焼いて喰った
 意外にうまかった。

 ひるからは、野球であった。かくべつ面白いわけでもなかったが、
 イヤイヤやっていたわけでもなかった。

 ラジオの落語を聴いて、ケタケタ笑っていた。

3月25日 【土曜日】

 朝から体操であった。枯草の上で、でんぐり返ったり、とんだりはねたりしていた。
 蹴球をした。面白かったが、体がえらかった。

 ひるから、かけあしであった。
 朝は、天気がよくてぽかぽかしているのだけれども、
 ひるになると、かならず強い西風が吹いてくる。

 陽炎のあちらで、練習機が烟のようにちぎれながら、走っていた。

 枯草の、あちらからもこちらからも、はじけるように、雲雀であった。

 畑で、ニラを一つかみほど取って来て、晩のおかずにきざんで入れてみたが、
 大してうまくもなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たった一度だけ、ジャガイモの種芋を蒔いたことがあります。
そのときも、灰をつけたのでした。トホイ昔ノコトデアッタ。

陽炎があがるほど、いい天気だったのですね。そして筑波の西風。


竹内浩三「筑波日記」は、
「五月のように」さんより転載させていただきます。
http://www.h4.dion.ne.jp/~msetuko/tkozo/takeutisakuhin.html

なお、竹内浩三著 小林察編 「日本が見えない」(藤原書店)より
筑波日記 全文と写真版を参照させていただいています。

http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=510&cPath=177_222
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by anzu-ruyori | 2012-03-25 20:54 | 浩三さん(竹内浩三)