逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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ときどき跳ぶ。一四〇センチ跳ぶ★竹内浩三★筑波日記

昭和19年

6月28日 【水曜日】

 外出した。奥谷と一緒であった。十一屋本屋でカルピスをごちそうしてくれた。
 甘ったるいやつで、二杯飲んだ。
 バスで下妻へ行った。みどりと云う家で一一六の兵隊の休憩所ができた。
 食券をもってゆくと売ってくれるしかけになっている。高橋班長と一緒になった。
 ぶどう酒を飲んだ。サイダーをいれて飲んだらうまかった。
 菓子を喰い、ヤサイサラダを喰って、いささかメイテイした。

 すし屋ですしを喰った。たみ屋でメンチカツを喰った。
 飯盒のフタほどもあるやつで、うまかった。

 『宮沢賢治覚え書き』と云う本があった。
 かえりに宗道の神田屋へ寄ったらドーナツをたべさせてくれた。

 サイパン島があぶない。

6月29日 【木曜日】

  敢為前進と云うやつで、野でも山でもがむしゃらに行くやつであった。
  汗みどろであった。
  ひるから手榴弾なげであった。
  夜間演習。陣中キンム。

6月30日 【金曜日】

 サイパン島があぶなくて、いつ敵の飛行機がとんでくるかもしれないと云うので、
 作岡村の松林の中にドラムカンが300も入る大きなエンタイをいくつもこしらえる。
 (六文字分不明)半日それしていた。

 仕事の途中で、ドラヤキみたいなものが間食に上った。
 舎前に高跳びの装置がこしらえてあるけれども、
 あまりだれも跳ぼうともしないが、ぼくは、それがすきで、
 夕食のアトなんか、ときどき跳ぶ。一四〇センチ跳ぶ。

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6月おわり。

戦線が拡大していく緊張感の中、外出では腹いっぱい食べて
高跳びを飛ぶ浩三さん。
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by anzu-ruyori | 2012-06-30 14:13 | 浩三さん(竹内浩三)