逡巡のとりどり@京都


by anzu-ruyori
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合歓の花、B型 手相★竹内浩三★筑波日記

昭和19年 

7月23日 【日曜日】

 ネムの木は、伊勢では珍しいが、ここではざらにある。野にも山にもある。
営内にも、いくらもある。いま、その花が咲き出している。ゆめのような花である。

 そこへ、大竹がきた。「竹内古兵どの、血液型の検査しに来いって」「いたいかい」

 B型であった。

 こんなときこそ、ことばをつつしまねばならぬ。サイパンがやられたと云って、
コウフンして、申しわけなし。切腹しておわび申そうなどとは、笑止というより、はらだたしい。おちつけ。あらぬことを口ばしるな。

 広井がまたきて、手相の話をしだした。
手相を科学的に説明しようと云うのである。ホウセンカの茎が赤ければ、その花も赤いように、そこに相関性があると云うことから、手相と頭脳との相関性を云うのである。
なっとくのゆきそうな説明である。そして、ぼくのを見てくれたのだが、みる定石として、被看者の過去の行跡を、たとえば、両親がないと、女のことでは、なかなかなやむたちで、それが一度ならず、二度あり、二度目の方がはげしかったとか、心臓の弱いこととか、そんなことを云いあてて、相手に手相を信じさせて、おもむろに、未来をかたる。

 五十歳までは生きる。安心した。
一生物資にはめぐまれる。金持ちの家へ養子にゆく。
女房がやりでで、本人は、好きな仕事をやってる。道楽は食道楽。
子供は六人、末の男の子で、すこし苦労する。

一年以内に、死にぞこないに会う。と云うのは、どう云うイミが。
とにかく、死にぞこなう。そこで、精神的に人間が変わる。

結婚は、マンキの後、二年。

それと、前後して、君の華々しい時代がくる。世間的にも名声をハクすると云ったふうであった。

 7月24日 【月曜日】

 経理室当番を下番した。

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浩三さんは、B型であった。

広井さんの手相は、まったく当たっていないのに、当たっているようにも思える不思議な手相だ。


 
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by anzu-ruyori | 2012-07-29 14:02 | 浩三さん(竹内浩三)